基本的な考え方
当社が近未来へ成長・発展し、社会に貢献し続けるために、「従業員の健康保持・増進」の取り組みを戦略的に実践することが将来に向けた「投資」であると捉え、2022年8月に「健康宣言」を策定しました。会社だけでなく、健康保険組合・労働組合も共同署名を行い、それぞれが役割をもって従業員の健康づくりに取り組み、全従業員が活躍できる会社を目指します。
フタバ産業『健康宣言』
フタバ産業の従業員は皆家族です
家族一人ひとりが、永く安心な生活を送れること
前向きに仕事に取り組めること
そのためには、心身の健康が一番大切です
従業員が健康であり続けるため、ここに労使ともども健康宣言をします
- 1.会社は、従業員に安心・安全な職場を提供し、改善し続けます
- 2.会社は、従業員の心身の健康増進を先回りして、支援します
- 3.従業員は、自身の健康のため、生活習慣の改善に努力します
活動を通して、社会と調和のとれた「Well-being」を実現します
※Well-being:身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する概念
2022年8月1日
フタバ産業株式会社 代表取締役社長 魚住 吉博
フタバ産業労働組合 執行委員長 川上 将史
フタバ産業健康保険組合 理事長 中尾 賢一
推進体制
安全・健康推進室を事務局とし、健康保険組合、労働組合、産業医、産業保健スタッフおよび社内の各部署が互いに連携して健康課題に取り組みます。
推進体制図
健康経営の戦略
※基本的に「健康投資」と「健康投資施策の取組状況に関する指標」は1対1で対応する。しかし、中には複数の「健康投資施策の取組状況に関する指標」に対応する「健康投資」も存在するため、そのような「健康投資」を「様々な効果に関連する健康投資」とする。
「健康経営優良法人」に認定
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当社では、「健康宣言」のもと、従業員は皆家族と考え、家族一人ひとりが永く安心な生活を送れることや前向きに仕事に取り組むために心身の健康が重要であると考えており、Well-beingを経営の最重要課題の一つに位置づけています。
実際に、従業員一人ひとりが健康づくりに主体的に取り組めるよう、健康づくりを促進する活動が評価され、「健康経営優良法人」に認定されました。当社は2年連続での認定取得となります。
また、グループ会社も取り組みを推進することで、株式会社フタバ須美が中小規模法人向けの「健康経営優良法人」に認定されました。
健康経営に関わる主な取り組み計画
フィジカル | 予防活動の実施 |
健康チャレンジ8取り組みの定着 健康イベント 健康教育(集合型・e-ラーニング) 保健指導の実施 感染症対策(新型コロナウイルス対策、インフルエンザ予防接種、海外出向前予防接種等) |
構内全面禁煙の実施と 禁煙支援活動 |
構内全面禁煙 社内禁煙教室 禁煙外来・ニコチンパッチ等に係る補助 禁煙促進イベント(卒煙チャレンジ) |
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健康管理の充実 | 事後措置 健康診断関連 |
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メンタル | 予防活動の実施 (セルフケア・ラインケア) |
メンタルヘルス教育の実施(集合型・e-ラーニング) 職場内コミュニケーション推進 産業保健スタッフによる新入社員面談等 健康相談窓口の設置 |
職場改善支援活動 | ストレスチェック集団分析結果による職場サポート | |
メンタルヘルス支援の充実 |
職場復帰支援(リワークの推奨) 事業所内産業保健スタッフによるサポート 傷病休業データ管理 |
現状と課題
当社は運動習慣のある人が少ないこと、適切な食事方法(ゆっくり食べる)の実施率が低いこと、喫煙率が高いことを健康課題とし、不健康な生活習慣から引き起こされる重篤な疾患が元となり生産性の低下、従業員の幸福度の低下を経営上の課題としています。
就業制限措置要領等のハイリスクアプローチや、特定保健指導対象者以外にも医師・保健師による保健指導等の生活習慣改善アプローチを重点的に取り入れています。2023年度からは従業員が自身の健康意識を高め、健康により良い行動を習慣化するための「健康チャレンジ8※1」に全社で取り組んでおり、各部署健康リーダーを主体に声かけ等を行い、各自が健康習慣を身につけるような仕組みを取り入れています。個人、職場内健康意識(リテラシー)の向上を目指し、2025年度メタボリックシンドローム対象者率を7.2%、疾病ハイリスク者率を0.49%を目標としています。
※1 健康チャレンジ8...8つの健康習慣改善(適正体重、朝食、間食、飲酒、運動、禁煙、睡眠、ストレス)に参加し、健康を保持増進するもの
カテゴリ | 指標 | 2021年度実績 | 2022年度実績 | 2023年度実績 |
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健康診断、ストレス チェック等実施状況 |
定期健康診断受診率 | 100% | 100% | 100% |
定期健康診断後の精密検査受診率 | 84.0% | 83.3% | 84.6% | |
ストレスチェック受検率 | 97.8% | 96.7% | 96.9% | |
定期健康診断事後措置による保健指導 | 100% | 100% | 100% | |
健康的な生活習慣取り組み状況 | 適正体重 | 63.8% | 64.9% | 71.9% |
朝食を食べる | 81.2% | 79.5% | 80.5% | |
適正飲酒 | 70.4% | 70.6% | 71.2% | |
間食をしない | 78.4% | 78.6% | 79.5% | |
禁煙 | 67.0% | 69.0% | 70.3% | |
運動習慣あり | 17.8% | 17.9% | 19.2% | |
睡眠で休養が十分とれている | 69.1% | 70.3% | 67.9% | |
ストレスがない | 90.6% | 90.9% | 90.4% | |
健康関連の目標指標 | メタボリックシンドローム対象者率 | 8.0% | 8.0% | 8.9% |
疾病ハイリスク者率 | 0.9% | 0.6% | 0.8% | |
プレゼンティズム※2 | ― | 22.7 | 24.6 | |
アブセンティズム※3 | ― | 2.3% | 2.6% | |
ワークエンゲイジメント※4 | ― | ― | 2.7 |
※2 プレゼンティズム...
健康の問題を抱えながら業務を行うため、100%の能力が発揮できず、生産性のロスが発生している状態のことで、東大1項目版にて測定。2025年までに22.1以下を目指しています。
回答者数3,090名 回答率81.8%
※3 アブセンティズム...傷病による欠勤人数割合(%)
※4 ワークエンゲイジメント...
従業員が仕事に対してポジティブで充実している状態のことで、UWES9項目の短縮版を用い「活力」「熱意」「没頭」の3つの尺度の平均値(最低0点~最高6点で高いほど良好を示す)。2025年までに3.0を目指しています。
回答者数3,287名 回答率87%
主な取り組み
体の健康づくりの取り組み
運動の取り組み
社員の健康増進のためにスポーツの促進に向けた積極的な取り組みを行っている企業として、スポーツ庁より「スポーツエールカンパニー2024」に認定されました。
具体的な取り組みとして、社内駅伝大会等の運動促進のイベントを開催するとともに、日々の運動習慣として始業前のラジオ体操の推奨やスポーツ施設の利用料をはじめとした運動にかかる費用補助等、運動できる機会・環境を提供しています。
また、2022年度から50歳以上の従業員を対象に、体力への気づき・身体の維持・強化のための体力測定・健康セミナーの実施や、全社員向けの社内健康イベントにより運動の重要性を周知し、意識・行動変容へのきっかけづくりを行っています。
50歳以上の従業員を対象とした体力測定・健康セミナーの実施(対象者に占める参加者の割合)
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2021年度 2022年度 2023年度 参加率 ― 90.7% 97% -
50歳以上の健康セミナー開催の様子
食事の取り組み
当社の社員食堂は県や市の食育・健康事業の愛知県食育推進協力店、岡崎市健康づくりサポート施設に登録をしており、全メニューへのカロリー表示、ヘルシーメニューの提供(600kcal 以下)等、健康に考慮したメニュー提供を行っています。その他、社員食堂の給食委託会社と当社の健康課題を共有し、衛生月間イベントとして健康課題に考慮した食事を提供しています。2023年度からは食堂で従業員自身が摂取したカロリーや栄養素をスマホで見ることができる「ピッとレジ」を採用し、従業員の健康意識の向上につなげています。
禁煙の取り組み
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喫煙や受動喫煙の害から従業員を守るため、社内禁煙デーや喫煙時間枠を設定し、会社全体で禁煙促進活動に取り組んでおり、2025年4月1日には敷地内全面禁煙となる予定です。
その準備として従来行っていた卒煙キャンペーンに代わり、卒煙にかかる費用の全額負担と、卒煙チャレンジャーとして手を挙げてくれた方を応援する「卒煙宣言/応援制度※5」を2023年度に開始しました。社内全体へ卒煙意思を宣言するため、今までの卒煙キャンペーンに比べ、参加者は少なくなりましたが、応援者の応援効果もあり禁煙達成率が向上しました。
※5 卒煙宣言/応援制度...2025年4月1日の敷地内全面禁煙に向けて、卒煙にチャレンジする従業員が卒煙宣言し、周りの応援を受ける制度。
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禁煙セミナーの様子
卒煙チャレンジ参加状況(単体)
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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参加者数 | 24人 | 40人 | 25人 | 8人 |
達成率 | 50.0% | 30.0% | 46.0% | 87.5% |
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女性の健康に関するイベントの開催
女性特有の健康課題についてのセミナー開催や、「乳がんの早期発見・早期診断・早期治療」の重要性を啓発するための健康イベント(FUTABAピンクリボン運動)でがん検診の啓発を行っています。同時に血管年齢測定等の健康測定体験会を開催し、性別問わず多くの従業員が参加しました。
また従業員だけでなく、家族みんなで「乳がん」について考えるきっかけづくりができるよう、会社のイベント時にも展示ブースで乳がんの啓発活動を行いました。 -
がん検診の啓発イベントの満足度
がん検診の啓発イベント参加者(全従業員に占める参加者割合)
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2021年度 2022年度 2023年度 参加率 ― ― 14.2%
こころの健康づくりの取り組み
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産業保健スタッフ、人事部門等と連携を行い、「メンタルヘルス対策の指針4つのケア※6」に基づき活動を行っています。
階層別教育にメンタルヘルス教育を導入し、特に入社早期からのこころの健康づくりが必要であると考え、新入社員のメンタルヘルス対策を重点的に取り組んでいます。また、職場改善を重点事項とし、ストレスチェック後の集団分析結果をもとに職場の強み・弱みを把握し、職場環境改善につながる仕組みづくりを行っていきます。他にも、セルフケア力向上を目的に、外部講師によるセルフケア講話(マインドフルネス等)を開催し、任意で参加した約9割の方から役に立つと好評です。※6 メンタルヘルス対策の指針4つのケア...厚生労働省が示すメンタルヘルス対策に向けた4つの取り組みのこと。取り組み内容は、①セルフケア、②ラインによるケア、③事業場内産業保健スタッフ等によるケア、④事業場外資源によるケアの4つである。