TCFD提言による情報開示

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同と情報開示

当社は、2022年6月にTCFDへの賛同を表明しました。TCFDの考え方に基づき、シナリオ分析を行い、事業活動に影響を与えるリスクと機会を抽出し、経営戦略に対応策を織り込みました。今後も財務への影響等を検証し、活動を充実させていきます。

ガバナンス

戦略

当社は、気候変動が当社に与えるリスク・機会とその影響の把握および2030年頃の世界を想定した戦略の妥当性と、さらなる施策の必要性の検討を目的に、シナリオ分析を実施しています。
シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)※1が公表する複数の既存のシナリオを参照のうえ、移行面で影響が顕在化する「2℃未満シナリオ※2」および物理面で影響が顕在化する「4℃シナリオ※3」の2つの世界を想定しました。さらに、2023年に公表されたIPCC第6次報告書および第1回GST※4(COP28)に基づく「1.5℃シナリオ」への対応検討を開始しました。各シナリオにおける当社を取り巻く世界観と、当社にとって影響が大きいと思われるリスク・機会と、その対応策は下記の通りです。

各シナリオにおける当社を取りまく世界観

各シナリオにおける当社を取りまく世界観

リスクと機会:直接的に当社売上に影響を受ける項目

影響する項目 リスク・機会 影響度 対応策
BEV化・
電動化の
促進
(市場)
移行リスク
(2℃未満シナリオ)
  • ZEV規制導入や消費者嗜好の変化によりエンジン搭載車の販売台数が減少することに伴う売上減少
  • BEV関連部品の開発による、新たな製品の販売に伴う売上増加
  • BEVおよび電動車向け関連部品の研究開発
  • ボデー部品、外販設備事業の拡大、付加価値の増加
  • 解析能力を活用したゾーン開発による高付加価値のボデー部品受注
  • エンジン搭載車でのシェア向上
  • 投資・工数ミニマムで標準化された排気系部品の拡販
  • 「 排気収集・浄化」の技術を活かした新規事業の進化・創出
自然災害/
異常気象
(急性)
物理リスク
(4℃シナリオ)

自然災害、異常気象による自社の被災やサプライチェーンの寸断により、生産遅延・停止に伴う売上減少

  • BCP体制の整備運用と、継続的な見直しの実施
  • 対策本部等の組織運営

リスクと機会:間接的に影響を受ける項目

影響する項目 リスク・機会 影響度 対応策
CO2排出量
規制強化
(政策・法規制)
移行リスク
(2℃未満シナリオ)
  • CO2排出量に課される税金等の導入による企業負担増加
  • 燃費効率が高く軽量化された新製品を提供することに伴う売上増加


  • 工場からのCO2排出量削減に向けた徹底的な改善の取り組み(単体・連結)
  • 廃棄物削減、省資源化、リサイクル推進で循環型社会に貢献
  • CO2排出量削減を目指した軽量排気系システムの開発
  • 部品の軽量化および加工時のCO2排出量削減効果の高い冷間超ハイテン材部品の加工技術開発
社会的評価
(評判)
  • 気候変動関連の情報開示の対応不足による企業価値低下とその影響
  • 資金調達が困難
  • 株価下落
  • 人的資源の確保が困難 等
  • 気候変動関連の情報開示の充実化とステークホルダーとのコミュニケーションの強化

リスク管理

指標と目標

当社は、特定したリスクと機会への対応のため、管理指標を設定し取り組みを推進しています。
今回、IPCC第6次報告書発行を受け、1.5℃シナリオに向けた工場のCO2排出量削減目標を厳格化しました。

2024年12月時点での管理指標および2030年度における達成目標

2035年 国内工場のカーボンニュートラル達成にチャレンジ

●フタバ
工場のCO2排出量削減目標
単体・国内外グループ会社
2030年度(2019年度比)50%以上削減(毎年4.6%削減)

再生エネルギー導入
単体 2030年度60%導入
(単体の総電力比 ただしクレジット含む)

●仕入先
CO2排出量削減目標
主要仕入先(127社)
2030年度(2019年度比)50%以上削減(毎年4.6%削減)

管理指標における2023年度実績

●フタバ単体
CO2排出量 47,496t-CO2
(Scope1、2)(2019年度比 △13.8%)

再生エネルギー導入率 2.1%

●仕入先
CO2排出量 19,965t-CO2 (見込み)
(Scope1、2)(2021年度比 △6.8%)