基本的な考え方
資源のライフサイクルに配慮した省資源・リサイクル推進に取組んでいます。鋼材使用量については、材料歩留りや工程内廃却低減の活動で削減を図り、油類使用量および廃棄物排出量削減の活動を実施することにより環境負荷の低減を通じ、人と自然の共生を目指しています。
現在では、会社としてサーキュラーエコノミーを推進する方向で動き始め、モノづくりにおける資源・資材ロス(廃棄物等)の再資源化を検討しており、今後この活動は、自然環境を守るためにも重要な活動と捉え進めています。
廃棄物削減の取り組み
廃棄物排出量については、2030年度には2019年度比11%削減を目標として活動しています。
業務効率化による発生量の抑制を進めると共に、発生した不要物は混ざればごみ、分別すれば資源になるとの考え方で、分別精度の向上による排出量の削減に努めています。
一部の工場で2021年度に発生したプレスピットへの地下水流入については、止水対策の実施による効果はあるものの、未だ異常値が続いていることから、2024年度は同排出水の浄化と水資源の利活用を意図した試行を実施しています。
廃棄物排出量(国内グループ会社)
※2021年度は異常値(新規プレス導入に伴うピット掘削工事の地下水流入)で排出量が増加しました。
鋼材使用量削減の取り組み
材料歩留り改善は、製品を一つ造るのに必要な素材のミニマム化を追求するための重要な活動です。素材寸法をミリ単位で縮めるためのトライを重ねる地道な改善を、各生産拠点で取り組んでいます。また、不良流出防止のための発生源対策は重要であるため、生産工程途中で不良品を出さないようにする廃却ロスのミニマム化や工程内廃却低減活動(2025年度に2020年度比50%以上削減)にもグローバルで力を入れています。
その他にも非破壊試験器使用による日常検査での廃却削減を進めることにより、全体として省資源化に取り組んでいます。
工程内廃却数低減(単体)
油類使用量削減の取り組み
油類使用量の7割弱を占めるガソリンフォークリフトの燃料削減のため、電動フォークリフト、エレカへの切替えを進め、2023年度のフォークリフト電動化率は86.8%となりました。今後も物流改善により、フォークリフトの台数削減を推進していきます。
また、製品加工時の加工油については、濾過により、極力再利用をはかり、リサイクルによる資源の有効活用にも貢献しています。
フォークリフト電動化推移(国内グループ会社含む)
水資源に対する取り組み
気候変動に伴う水資源の重要性は年々高まっています。
国内では、2050年度までに2020年度比▲15%の取水量削減を目標に継続して取り組んでいます。2021年度は生産量の減少、2022年度は取水元の事故により水使用量は減少しましたが、2023年度は生産が回復したレベルで削減傾向となっています。
排出の水質に関しては、健全な水循環を保つため各地域の排水基準値よりもさらに10%厳しい値で管理しています。なお、国内外グループ会社も同様の目標値で統一し、グローバルで水資源の確保に取り組んでいます。
取水量推移(単体)