自然共生社会の構築

生物多様性への対応

フタバグループの事業活動は、水資源をはじめとした自然資本を利用していると同時に、自然環境に影響を与えていることを認識しており、これからは大気(CO2排出量削減)だけでなく、水質・土壌等ほかの自然資本や生物多様性の取り組みを強化し、ネイチャーポジティブを見据えた対応を検討していきます。
2023年にTNFD※1フレームワークの最終版が公表され、フタバグループでは事業活動と自然資本との関係性の整理に迅速に着手し、リスクの特定、取り組みの検討を行っています。並行して情報開示の準備を進めており、今後さらなる開示内容の拡充をはかっていきます。
また、今後は削減だけではなく、事業活動における資源の効率的・循環的な利用にも注力し、サーキュラーエコノミーにチャレンジしていきます。

ガバナンス

当社は、気候変動に係る経営の方向性および事業に関連するリスク・機会を、サステナビリティ推進会議で報告・監督しています。気候変動を含む環境課題は、当社の重要テーマ(マテリアリティ)の一つとして、取締役会承認を経て中期経営計画やグローバル会社方針に落し込まれ、目標達成に向けて取り組んでいます。フタバグループの方針や目標はCN推進会議で協議・設定、各推進責任本部がアクションプランを策定し、フタバグループへ展開のうえ、グローバルで進捗管理を行っています。さらに国内の仕入先様にも展開し、サプライチェーンでの取り組みを進めています。進捗状況はサステナビリティ推進会議へ報告され、事業環境の変化や実績に基づいた改善活動や目標の再検討は、CN推進事務局と各推進責任本部が話し合い、方針や目標に反映して推進しています。
自然資本・生物多様性については、サステナビリティ推進体制の中で対応・管理しています。なお、特定したリスク・機会および指標・目標の進捗管理はCN推進会議の中で定期的に確認・議論をしています。

ガバナンス

戦略(リスクと機会)

フタバグループの事業活動と自然資本の関係性マップを作成し、依存・影響を整理しました。事業活動の中で水やエネルギー資源の使用と、大気・土壌・水域等への排出等をリスクとして捉えています。

戦略(リスクと機会)

リスクと影響の管理

Aqueduct※2等のリスク評価ツールを用い、リスクの特定を行っています。特定したリスクは、CN推進会議の中で議論し、自然資本ごとに設定した目標は、SDGsのマテリアリティに含めて管理しています。

分類 フタバグループにおける
重要なリスクと機会の内容
フタバグループの取り組み
物理
リスク
豪雨や津波等の自然災害に伴う、工場の浸水および物流動線の遮断による生産活動の停止、復旧コストの増加 BCP体制の強化
移行
リスク
少雨渇水時の取水制限による生産数の減少 取水量削減活動による使用水のミニマム化
水質・土壌・大気汚染による生産活動の停止・罰則
  • 優良産業廃棄物処理業者への優先的委託及び現地確認
  • ISO14001環境マネジメントの運用(自主測定を含めた自主基準濃度管理、定期測定と結果の評価)
  • 定期的なメンテナンス
  • 官公庁のサンプリングと同時に自社でもサンプリングしクロスチェック(水質管理を基準とした汚水処理施設の定期的メンテナンス等)
廃棄物処理委託先の不法投棄等による排出事業者責任追及
  • 優良産業廃棄物処理業者への優先的委託及び現地確認
  • リサイクルの促進
  • サーキュラーエコノミーへの対応
機会 環境に配慮した製品の開発・販売による収益の向上
  • CO2回収装置の開発
  • 農業エネルギー循環システム事業
  • 中小型トラック向け車載CO2回収システム事業
  • レーザー除草ロボットの開発

指標と目標

依存・影響している自然資本の保全のため、これまでのカーボンニュートラルへの取り組み(CO2排出量削減)に加え、新たに「VOC※3」「廃棄物」「水資源(取水)」への取り組みを追加、目標を設定してグローバルで管理していきます。

削減項目 国内目標 海外目標
VOC 極小化 極小化
廃棄物 2019年度比 ▲1%/年 2022年度比 ▲1%/年
水資源(取水) 2020年度比 ▲0.5%/年 2022年度比 ▲0.5%/年
CO2 2019年度比
2030年度 ▲50%

環境負荷物質低減の取り組み

当社では、人の健康や環境に悪影響を及ぼす環境負荷物質の使用量・移動量・排出量を管理しています。生産工程で使用する化学物質に対しては、環境影響を評価することで購入・使用の可否を判定し、環境負荷の低減を進めています。

2023年度PRTR対象物質の排出・移動量

環境負荷物質低減の取り組み

PCB機器への対応

30年以上経過した古い電気機器の絶縁油にはPCB(ポリ塩化ビフェニル)が含有されている可能性があります。その有害性のため当該機器は適正な保管・届出および処理が求められています。法律による処理期限(低濃度PCB:令和9年3月31日)が定められており、当社では期限内の処理を確実に実施するため機器の更新等対策に取り組んでいます。