製品技術

1470MPa冷間超ハイテン材を使用したボデー部品

冷間超ハイテン材の取り組み

1470MPa冷間超ハイテン材を使用したフロントピラーアッパアウタは、トヨタ車として初めて、2023年1月10日発売の新型「プリウス」に採用されました。
1470MPa冷間超ハイテン材は、一般的な鋼板よりも非常に高い強度を持ち、板厚を薄く軽量化しても十分な強度を確保できます。
しかし伸びにくい材料のため成形しにくく、成形後のスプリングバック現象(材料が元に戻ろうとする力)が大きいため、寸法精度を確保することが難しい材料です。
これらの課題を克服するため、これまで超ハイテン部品量産で培ったノウハウを織り込み、また成形解析による最適形状の検討を行いました。

自動車メーカーへの提案の取り組み

これまで当社では単品毎に自動車メーカーへの形状提案を行っていましたが、今回CAE解析活用により、中規模アッセンブリ(フロントピラーゾーン)で性能とモノづくりを両立した早期構造提案を行い、採用されました。

社会への貢献

先代モデルのフロントピラーアッパアウタはホットスタンプ材を使用していましたが、新型モデルでは1470MPa冷間超ハイテン材に変更したことにより、CO2排出量削減およびコスト低減に貢献しています。
加えて、フロントピラーロア、カウルサイドインナおよびレールアウタ/インナについても、先代モデルより高強度な1180MPa冷間超ハイテン材が採用されたことで、軽量化と衝突安全性に貢献しています。
◇イメージ図
※下図の青色:1470MPa材、黄色:1180MPa材、緑色:その他主要ボデー部品

社会への貢献